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暮らしと健康

犬の老化は約7~8歳から始まる!気づいてあげたい愛犬の老化サインについて

近年ペットの家族化が進んだことで高品質なフードやおやつ、ケア用品が充実し、より快適にペットと共に暮らす生活環境が整ってきました。
また、飼い主さんの意識の高まりからペットの健康を気をかける方が増えたり、獣医療技術が進歩していることで犬や猫の寿命も年々延びています。
大切な愛犬愛猫と快適に長く暮らしていけるようになったことはとても嬉しいですね。

しかし、ここで気になるのが愛犬愛猫の老化です。
私たちとは年を取るスピードが違う家族と、健康に長く一緒に暮らしていくためには、老化のサインをしっかりと理解し、適切な生活環境を作ってあげることが大切です。

今回は犬の老化のサインについてご紹介していきます。

 

犬の老化っていつから?


冒頭でも触れましたが、ペットの寿命は生活環境が整ってきたことにより徐々に延びており、一般社団法人ペットフード協会が実施した全国犬猫飼育実態調査によると、2020年の犬の平均寿命は超小型犬の場合15.19歳、小型犬の場合13.97歳、中・大型犬の場合13.6歳、犬全体の平均寿命としては14.48歳でした。
人の寿命と比べるととても短いですが、犬の14歳を人の年齢に換算すると小・中型犬の場合約72歳、大型犬の場合約100歳以上といわれています。(諸説あります。)
では、いったい何歳から犬の老化は始まるのでしょうか。

個体差もありますが、一般的に犬の老化は7~8歳ごろから始まるといわれています。
犬の7歳は人の年齢の場合、小・中型犬では約44歳、大型犬では約54歳です。
7歳と聞くとまだまだ若く感じますが、人の年齢で換算して考えてみるとシニア世代の入り口であることが分かりますね。

 

犬に見られる老化サイン


年齢が上がるにつれて体力が落ちたり、脂っこいものが食べられなくなったり、近いものが見えにくくなったり、、、そんなことを感じている飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
このような加齢に伴う体の変化、いわゆる老化現象は人間同様、犬にも現れてきます。
ここでは犬の老化サインについてご紹介します。

● 視力の低下
加齢に伴い、水晶体の中心部が硬化し、視力の低下が生じ、その結果、前が良く見えず壁にぶつかったり階段を怖がってしまうことがあります。高齢犬では白内障や緑内障といった目の病気が生じることも多いため、「最近おやつに気がつきにくくなった」「前は大丈夫だったものを怖がるようになった」などと思うことがあったら目のことを気にかけてあげるといいかもしれません。

● 嗅覚の低下
人と同様に五感が鈍り、嗅覚も鈍くなってきます。好きな食べ物であっても匂いを感じにくくなってしまうことで、ご飯を食べなくなってしまうこともあるそうです。そんな時にはフードにお湯をかけたり、少し加熱してあげることで風味を増加させてあげるのも一つの方法です。

● 老齢性難聴
加齢に伴い音が聞こえにくくなり、特に高音域が聞こえにくくなると言われています。そのため、飼い主の呼びかけや大きな音に反応しない時は犬が驚いてしまわないよう背後からいきなりなでたりせず、なるべく犬の視界に入る位置から触れ合うようにしてあげましょう。

● 白髪が増えたり、被毛が薄くなる
人と同じように年を重ねると白髪の量が増加してきます。特に犬の場合、口吻(口の周り)の被毛に顕著にみられるようになります。この変化は最初に気づきやすい老化のサインです。また、被毛が薄くなったり、毛づやが悪くなることも気づきやすいサインの一つです。

● 体格の変化
代謝機能や消化吸収機能が衰えていくことで、同じ食事量やフードを使っていても太ってしまったり、反対に痩せてしまう子もいます。現在はシニア向けの専用フードも多く販売されているため、愛犬の年代に合わせ適切なフードに変更してあげましょう。

● 口臭が強くなる、歯がぐらつく
高齢になると免疫力が低下するため、口腔内の環境をうまくコントロールできず、口臭が強くなったり歯周病になるリスクが高まります。歯周病や歯槽膿漏を防ぐためにも日頃からデンタルケアを心掛けることが大切です。

● 活動量が減り、寝ていることが多くなる
次第に筋肉量が衰え、長時間の散歩を嫌がるようになったり、あまり頻繁に遊ばなくなることがあります。また、お昼寝の時間が増えるなど、一日の中で寝ている時間が多くなることも。

● 粗相をしてしまう
老化に伴い膀胱括約筋や肛門括約筋の機能が低下することでトイレに間に合わなかったり粗相をしてしまうことがあります。特にメスでは睡眠中や横になった拍子にお漏らしをしてしまう子が多いと言われています。そんな時は寝床にトイレシーツを敷いてあげたりオムツをはかせてあげるなどの対応をしてあげましょう。

シニア犬にやさしいお家づくり


人間と同じく、犬も歳を重ねることで若いころはできたことがだんだんとできなくなってきます。そんなシニア犬と長く一緒に暮らしていくためには、飼い主さんが老化サインをしっかりとチェックし愛犬にとって安全で暮らしやすい生活環境を作ってあげることが大切です。

● 滑りにくい床を心掛ける
歳を重ねるにつれ踏ん張りがきかなくなるため、フローリングなどの滑りやすい床は犬の足腰に負担がかかってしまいます。また、変形性関節症などは日ごろから関節に負荷がかかることで発症するため、愛犬が若いうちから滑りにくい床にしてあげることが大切です。お家がフローリングの場合、毛足の短いカーペットやマットなどを敷いて工夫してあげましょう。(毛足の長いものや繊維がループ状になっているカーペットは爪が引っかかって転びやすいため不向きです。)

● 部屋の模様替えは避ける
愛犬の視力が低下してきている場合、家具の位置を大きく変えたり模様替えをしてしまうと普段の動線が変化することで壁や物にぶつかりやすくなってしまいます。愛犬の老化サインが見え始めたら大きな模様替えは避けてあげましょう。また、夜は早めに部屋の明かりをつけてあげるといった工夫も大切です。

● 段差をなくす
筋力の衰えに伴い、段差が大きな負担となってしまいます。また、今まで登ることができていた所へ登れなくなってしまうことで犬は自信を無くして落ち込んでしまうこともあるそうです。愛犬が行きたがるお気に入りの場所には踏み台やスロープを設置してあげましょう。

● 犬にとって快適な温度管理をする
シニア犬は体温調節機能も衰えてくるため、寒さや暑さに弱くなります。そのため、犬にとって適温となるように室温を調節する必要があります。エアコンや空気清浄器を使う際には地面に近いところにいる犬にとって快適な温度となっているか、直接風が当たらないかなど気を配りましょう。

 

気にかけてあげたいシニア犬の体調管理


歳を重ねるごとに体の機能が衰えていく老化現象はすべての生き物で避けることができない事象です。だからと言って「しょうがない」とあきらめてしまうのではなく、シニア犬に合わせた体調管理を徹底してあげることが愛犬と「より快適により長く一緒に暮らしていく」重要なことだと考えています。

そのため、こちらでは日ごろから行ってあげたいケアについてご紹介します。

● 食事の管理
シニア期になると基礎代謝量が大きく変化するため、若い頃と同じフードをあげていると太ってしまうことがあります。また、個体によっては消化機能や肝機能などが低下することもあるため、愛犬の健康状態に合わせたシニアフードに切り替えてあげましょう。なお、急にフード変えてしまうとお腹を壊してしまうことがあるので、まずは前のフードと混ぜ、徐々にシニアフードの割合を増やして切り替える事をお勧めします。
健康ではあるものの食欲がない場合は、鼻が利かなくなりごはんがおいしそうだと感じられていないことが考えられます。その場合、フードをお湯でふやかしたり、レンジで加熱して風味を強めてあげるといいかもしれません。
また、シニア期になると頭の位置を下にして食べる姿勢が負担になることがあります。そんな時は台の上にお皿を置いたり、背の高いお皿を活用したりと、愛犬が前かがみにならない姿勢で食事ができる環境を作ってあげましょう。

● デンタルケア
デンタルケアを怠ってしまうと口内に歯石がたまり、歯周病のリスクが高まってしまいます。強固に付着した歯石を除去するためには麻酔をかける必要がありますが、麻酔はシニア犬にとって負担が大きいです。そのため、歯石をためないよう、若い頃から歯磨きやデンタルケアをしてあげることが大切です。また、小さな頃から歯磨きを当たり前にしておくと飼い主さんも日頃のケアが楽になります。高齢になってからは歯も弱くなっているので、歯磨きの時は若い頃の時よりも優しく行ってあげましょう。

● 適度なお散歩
お散歩は犬にとって気分転換であり、脳を活性化させる刺激でもあります。また、身体を動かさないと筋肉はどんどん衰えていきます。愛犬の心身の健康を保つために、無理のない範囲でお散歩に連れて行ってあげましょう。足腰が弱り歩くのが辛そうな場合は抱っこやキャリーカートを活用するのも手段の一つです。

● ブラッシングや爪切りなどのボディケア
ブラッシングは汚れを取るほか、血行が促進されてマッサージのような役割もあるそうです。また、身体に触ることで痛みを感じている部分や腫瘍はないかといったチェックもできるので、毎日ブラッシングを行ってあげましょう。
高齢になると活動量が減ってきますが、その分爪が伸びやすくなります。爪が伸びるとカーペットに引っかかってしまったり、フローリングで滑ってしまうため、定期的に切ってあげましょう。

● 予防接種
シニアになると身体の様々な機能が衰えてきます。それは免疫機能も例外ではありません。歳をとったからこそ予防接種はしっかりと行っていく必要があります。

最後に


今回は犬の老化サインやシニア犬との生活環境づくりについてご紹介しました。
犬と人間では年を取るスピードが違うため、まだ若いと思っていてもあっという間におじいちゃんおばあちゃんになります。本記事でもご紹介した通り、犬も歳を重ねるごとに身体の機能が衰えていくため、飼い主さんが老化のサインを見逃さずしっかりと対応してあげることが大切です。
また、シニア犬になると老化現象だけでなく、様々な病気にかかるリスクが上がります。日々愛犬の様子を欠かさずチェックしていてもなかなか飼い主さんだけでは気づけない変化もあるため、7歳前後からは動物病院での健康診断の回数を増やすなどのケアをお勧めいたします。

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