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暮らしと健康

犬や猫の平均寿命は延びている?その背景や長寿化の課題について

大昔から人と共に暮らしてきた犬や猫。最初は狩りのお供や、ネズミ対策など共に生活していくうえでのビジネスパートナーとして共生してきましたが、年月を経て現在は「家族の一員」という立ち位置に変化しました。
ペットとより長く一緒に暮らしていきたいという飼い主さんの意識の変化から、昔に比べて犬や猫の平均寿命はずいぶん延びています。

本記事では犬や猫の平均寿命やライフサイクルについてご紹介します。

 

犬や猫の平均寿命


一般社団法人ペットフード協会が実施している「犬猫飼育実態調査」によると、2020年の犬の平均寿命は14.48歳猫の平均寿命は15.45歳でした。

図.1 犬猫 平均寿命(出典:一般社団法人ペットフード協会「令和2年 全国犬猫飼育実態調査」)

10年前の犬猫の平均寿命は犬が13.9歳、猫が14.4歳だったことを踏まえると、この10年間で犬は0.58歳、猫は1.05歳寿命が延びています
ぱっと見るとあまり寿命が延びている印象は受けませんが、成犬成猫は1年で人間の4歳分の年齢を重ねていくと言われています。それを考えると、犬や猫にとっては大きく寿命が延びていることが分かります。

犬や猫の寿命は人間の寿命と比べるととても短く感じてしまいますが、それでも10年以上寄り添って一緒に生きていけるのはとても嬉しいですね。

 

犬猫の平均寿命が延びた背景


今は当たり前の様に10年以上一緒に暮らしていくことができる犬や猫ですが、昔は病気や怪我などで幼いころに命を落としてしまう子も多くいたそうです。

ここでは犬猫の平均寿命が延びた背景や理由についてご説明いたします。

●ワクチンや駆虫薬の普及
上記でも少しお話しましたが、昔は子犬や子猫のころに寄生虫や感染症に罹り、命を落としてしまう子が多くいたそうです。中でも、犬はフィラリア症や犬ジステンパー、犬パルボウイルス感染症、猫は猫汎白血球減少症などが死因の上位となっていました。
しかし、現在はワクチンや駆虫薬が普及したことにより幼くして亡くなる子が激減したそうです。

●獣医療の進歩・改善
人の医療が次々と進化しているのと同様に、獣医療も大きく進歩しています。この進歩により、以前は発見できなかった病気を早期発見できたり、治療が難しい病気や怪我を治すことができたりするようになったことが寿命の延びの理由の一つとなっています。

●不妊・去勢手術の普及
昔は健康であるペットに対し手術をすることに抵抗があり、去勢・避妊手術を行わないという選択をしている飼い主さんも多くいました。しかし、近年は去勢や避妊手術を行うメリットの理解が高まり、生殖器系の病気に罹る子が減っているそうです。

●栄養学や食事の進歩
ペットの栄養に関する研究が進み、より動物種や品種に合った良質なフードが普及されるようになりました。そのため昔に比べてペットの栄養状態が向上・安定し、結果的に寿命の延びの理由の一つとなっています。

●しつけの向上と室内飼育の普及
犬猫ともに室内で一緒に暮らすことが普及し、放し飼いが減ったことで交通事故や犬同士、猫同士の喧嘩による怪我が減少したことも理由の一つです。

●飼い主の意識の変化
「ペットは家族の一員である」という意識が高まり、ペットに対しても健康で長生きできるよう生態や習性に合わせ適切な飼養管理が行われるようになってきました。

 

上記のことは今でこそ当たり前の様に思えますが、飼い主さんの意識の変化や獣医療の発展、良質なフードやペット用品の普及など、各方面からペットへの関心が高まってきたことによって現在の環境が作り出されてきたのです。

ペットの長寿化による課題


「ペットは家族」という考えが飼い主さんや各業界、獣医療の間でも浸透し、ペットの寿命が少しずつ延びています。
そんなペットの長寿化によって大切な家族と長く時を共にできることは飼い主さんとしても嬉しいことです。

しかし、ペットが長寿化したことである課題も発生してきます。
それは加齢に伴い生じる体の不調です。
ペットも人間と同じで、歳を重ねるにつれ体力や免疫力が落ち病気に罹りやすくなったり、足腰が弱ってきます。それだけでなく、認知症や寝たきりになる可能性もあり、人と同様に介護が必要になることもあります。

ペットの老化現象は7~8歳頃から見られ始めるといわれているため、現在のペットの平均寿命を見ると生涯の半分がシニア期となります。
生物である以上、加齢に伴って体の機能や防御機能が低下することは避けられません。
しかし、幸いなことに現在は獣医療が発展したことにより、病気の早期発見や症状悪化を防ぐことができます。さらに高機能なフードやサプリメント、高齢のペット専用の補助用品も普及しており、ペットの健康寿命を延ばす「介護予防」の取り組みがしやすい環境となっています。

大切な家族が快適な高齢時代を過ごしていけるよう、飼い主としては様々な工夫をしてあげたいですね。

別の記事で犬の老化現象や高齢犬との生活で気を付けてあげたいことをまとめいるので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
犬の老化は約7~8歳から始まる!気づいてあげたい愛犬の老化サインについて

最後に


本記事ではペットの平均寿命や寿命が延びた背景、長寿化の課題についてご紹介しました。

どのような背景を経てペットの寿命が延びてきたのかを知ると、飼い主さんの認識だけでなく社会全体としても「ペットは家族である」という認識が浸透してきていることがよくわかります。
現在、ペットの長寿化による課題も注目されはじめ、飼い主としてペットのためにやってあげられることも増えてきたように思います。
寿命が延びてきたことの喜びを噛みしめつつ、長寿化した先でペットと人がより快適に、幸せに暮らしていける方法を飼い主として探求していきたいですね。

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