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米国でドックフードにカビ毒混入、リコール拡大

Los Angeles CA USA から

米国でドッグフードにカビ毒混入、リコール拡大

ペット先進国の一つである米国では、ペットフード原料の認可から製造工程、品質管理に至るまで、人用食品とほぼ同レベルの規制が設けられています。さらに、ペットフードの販売に関しては連邦・州ごとで規制が設けられており、米国には日本よりも厳しい規格をクリアした安全性の高い商品が多く存在しています。
しかし、そんなペットフードの安全性をしっかりと管理している米国で悲しいニュースがありました。

米国で製造販売されたドックフードから高濃度のカビ毒アフラトキシンが検出され、1月21日の時点で、犬110匹が死亡し、210匹以上の中毒症状が報告されたのです。これをうけ、食品医薬品局(FDA)は、2020年12月30日からはじめていたリコールの範囲を拡大しました。FDAによると、ミッドウェスタン・ペットフード社が販売した「スポートミックス」ドッグフードで、原料としてトウモロコシが含まれるオクラホマ州製造工場の製品がリコール対象です。

アフラトキシンはカビの1種のアスペルギルス・フラバスによって生成され、ペットフードの原料となる穀物で発生することがあります。アフラトキシン中毒を起こしたペットは、元気がなくなったり肝臓の損傷による黄疸(おうだん)を引き起こしたり、食欲喪失、嘔吐(おうと)、下痢などの症状を発症することがあるそうです。
FDAによれば、たとえアフラトキシン中毒の症状がなかったとしても、該当するドッグフードを食べさせたペットは長期的な肝臓の損傷を引き起こす可能性があることから、飼い主は獣医師に相談する必要があるとしています。また、問題のドッグフードを扱った飼い主がアフラトキシン中毒の危険にさらされている痕跡はないとしながらも、ペットフードを扱った後は必ず手を洗うよう勧告しています。

更に1月25日、FDAはリコールされたペットフードが海外に輸出されていた可能性があるとして、受け入れ先の国のリストを以下のように発表しました。
バーレーン、バルバドス、チリ、コスタリカ、クラカオ、キプロス、チェコ共和国、エクアドル、エルサルバドル、フランスポリネシア、ガーナ、グアテマラ、ホンジュラス、香港、アイスランド、インドネシア、アイルランド、イスラエル、韓国、クウェート、レバノン、リトアニア、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ニカラグア、パナマ、ペルー、シンガポール、台湾、トリニダード、ウクライナ、アラブ首長国連邦、ウルグアイ、 ベトナムです。

FDAでは、アフラトキシンの高濃度の混入が起こったのか原因の究明を急いでいます。また、疑いのある症状があり場合は直ちにFDAのSafety Reporting Portalから電子通知するよう呼びかけています。

冒頭でも少しご説明した通り、米国ではペットフードの品質管理について厳しい規制を設けていますが、今回のようなリコールが発生してしまうこともあります。
ただ規制に沿えば安全なペットフードが作れるのか、本当の安全性とはどのようなものなのか、少し考えさせられるニュースでした。

今回のリコール対象のペットフードは日本に輸入されていませんが、私たち飼い主の役目として、ご飯を食べた後のペットの状態には気をつけてあげたいですね。

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