なぜ猫の目は光るの?~猫の目の構造について~
ワンちゃんネコちゃん、ペットを飼っている方々は日々ペットの愛らしい姿を写真に残していると思います。
そんな中、ネコちゃんを飼っている方は写真を見てこう思ったことはないでしょうか?
眼が光っている…!
なぜ猫の眼は光るのでしょうか。
その理由は、猫の眼の構造が関係しています。
猫の眼の構造
猫は人間が必要とする光量の6分の1程度の明るさで物体を認識することができます。これは、網膜にタペタムという反射板の役割をする組織が付いており、網膜を通過した光を再び網膜へ送り返し、わずかな光でも増幅させ効率よく利用できるからとされています。
暗闇で猫の眼が光るのは、このタペタムが光を反射しているためです。
猫の瞳孔は光に敏感で、暗い場所では瞳孔を大きく、明るい場所では瞳孔を縦長に細くして、網膜に到達する光の量を調節しています。
瞳孔は最大で眼の90%まで広がり、わずかな光も逃さず暗闇でも獲物を捕らえることができるような構造になっています。
猫は眼が良いの?
人間が必要とする光の6分の1の光量で物体を認識することができる猫ですが、猫の眼の水晶体は暗い中で光を集めるため大きいので、焦点の調節が上手くできません。そのため猫の視界はぼやけていて、視力は人間の10分の1程度しかないそうです。
また、猫は光の3原色のうち青と緑は認識できますが、赤は認識できないといわれています。しかし網膜内にある明暗や動きを感知する桿状体(かんじょうたい)の数は、人間と比べるとはるかに多く、視力が弱いながらも薄暗がりでの対象の動きをとらえる能力は極めて優れています。
猫の眼の第一の特徴としては、目が頭の左右についている犬とは違い、2つの眼が顔の前面に並んでいることです。そのため、左右の眼の視野の重複部分が大きく、両眼で見ることによって獲物までの距離を正確に測定することができます。
犬の眼について
一方、犬は猫とは少し違った構造や特徴を持っています。
犬は3週齢ごろから目が見えるようになりますが、人間のようにはっきりとした色覚はなく、人間の視力で言うと0.3くらいしかありません。
犬の眼は猫のように正面ではなく、左右それぞれで40°ほど外側を向いています。そのため、近くのものに焦点を合わせることが苦手で眼の前20~30cmはぼやけてしまい、ほとんど見えていません。また、犬の網膜には、明暗を区別する桿状体は多くありますが、色覚をつかさどる錐状体(すいじょうたい)の数が非常に少なく、猫同様、色をはっきり識別することができません。
その一方、桿状体の数は人間よりはるかに多く、犬はかなり暗くても物を見分けることができます。犬が色を識別することが苦手なのは、もともと夜行性であり、色を見分ける必要がなかったためであると考えられています。
犬の眼は投げられたボールなどの遠くにある動くものには敏感に反応します。犬の祖先であるオオカミにおいて、遠くの動くものに敏感なことは獲物や外敵の発見に役立っていたと考えられます。
前述した通り犬は視力が弱いのですが、例外として、人間が改変した視覚猟犬(サイトハウンド)がいます。グレーハウンドなどの長肢の大型犬種は優れた視力をもち、また眼が顔の側面に位置しているので視野も非常に広くなっています。
今回は猫の眼の構造についてお話しさせていただきました。
我が子のことを思うと、眼が光っているネコちゃんの写真も可愛いですよね。
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