犬や猫が食べてはいけないものは?
美味しそうな匂いにつられてご飯を食べている飼い主さんをじーっと見つめる子、欲しがっておねだりする子いますよね。
その可愛らしさに耐えられていますか?
人が食べているものでも犬や猫には与えてはいけないものがあります。
以前、別の記事では犬や猫にも食べ物の好みがあることについてご紹介しました(犬と猫の味覚って?~食べ物の好き嫌いについて)が、この記事では犬や猫にとって危険な食べ物についてご紹介します!
中毒を引き起こす食べ物
人と犬猫では肝臓での代謝に違いがあり、肝臓に送られてくる栄養素が適していない場合、合成や分解、解毒の処理ができずに中毒症状や機能不全が生じてしまいます。
最近ではテレビなどでもよく取り上げられており知っている方も多いかもしれませんが、犬や猫が中毒を起こす代表的な食べ物としてネギ類とチョコレート、カフェインがあります。
これらは、APCC(アメリカ動物虐待防止協会 動物毒物管理センター)が1年間で扱った症例数から毎年出している『ペットの有害物質トップ10』に含まれている食べ物です。
ネギ、タマネギ、ニンニク、ニラなどのネギ類については、アリルプロピルジスフィドという成分が溶血性貧血を起こす原因となります。
特に注意が必要なことは加熱後も毒性が消えない点で、ネギ自体を与えなくても、その汁にも物質が溶け出しているため与えないようにしてください。
チョコレートについては、与えるとテオブロミンという成分が身体から排泄されずに溜まり、嘔吐や下痢、痙攣、呼吸困難など様々な症状を引き起こします。カカオやコーヒー、紅茶、コーラなどにも含まれていますが、特に苦味の多いチョコレートに注意が必要です。
その他にも、骨、ブドウ・レーズン類、香辛料、イカ・スルメ類、生卵、生の豚肉、生の川魚、アワビやサザエ類、キシリトールといったものが挙げられています。
骨は犬のおやつとして売られているものもありますが、人用に売られている肉の骨をご家庭で与えると、加熱すると縦に割けやすく食道や消化器官に刺さってしまうなどのリスクがあります。
加熱をしない生の骨は縦には割けませんが、歯が欠ける、のどに詰まる、サルモネラ菌に汚染されているといった可能性もあるので与えないようにしましょう。
加工食品の危険
人の加工食品にも注意が必要です。
原材料は犬や猫に中毒を起こさなくても、調味料や添加物が問題となる場合があります。
とくに食品の湿潤性を保つために添加されるプロピレングリコールは、猫で溶血性貧血が報告されていることからペットフードでの使用が禁止されています。
味付けをせず、正しく与えれば大丈夫な食べ物もありますが、過剰に与えれば健康を害する引き金にもなるので与える際は十分に注意してください。
また、加工食品は特に人の不注意で犬や猫に食べられてしまうことが多いかと思います。目を離したすきに…ということがないよう十分に注意してください。
植物にも危険が…
家に観葉植物や花を飾るご家庭も多いと思いますが、それらの中には犬や猫が食べて中毒を起こしてしまうものもあります。
全体に毒性があるものもあれば葉や茎など一部に毒性があるものもありますが、ユリ科、サトイモ科、ツツジ科、ナス科、ヒガンバナ科、アヤメ科、マメ科、トウダイグサ科、クスノキ科、マチン科、キョウチクトウ科、キンポウゲ科の植物は危険とされるものがあります。
また、観賞や園芸でご家庭で育てることも多い、ドラセナ(幸福の木)、ポトス、アロエなどの多肉植物、シクラメン、ポインセチア、パンジー、アジサイなども毒性があるものとして挙げられています。
他にも犬や猫にとっては中毒になるといわれているものもあるので、犬や猫が入れるところに植物を置く場合は事前に調べておきましょう。
うちの子が草や花を食べているのは見たことない…という飼い主さんもいるかと思いますが、退屈したときや何かしら興味がわいたときに噛んだり食べてしまったりするかもしれないため、今回挙げたような植物は置かないようにすると安心です。
中毒を起こす否かについては体の大きさに対する食べた量や個体差で症状の度合いが異なりますが、犬や猫がこれらを食べてしまった場合は、すぐに獣医師に相談しましょう。
相談する際は、ペットの体重、年齢、現在かかっている病気や服用中の薬、いつ何をどのくらいの量食べてしまったのか、説明できるようにしておくことが大切です。
来月にはバレンタインが控えていますね。ワンちゃんネコちゃんにチョコレートをあげることはできませんが、今回挙げたものに気を付けながら大切なワンちゃんネコちゃんに犬猫用クッキーなどを作ってあげてはいかがでしょうか?
⇒バレンタインはペットへの愛をこめた手作りクッキーを