Info

暮らしと健康
獣医師執筆記事

伴侶動物を取り巻く問題と伴侶動物との素晴らしい生活

9月に入りまだ夏の気配は色濃くありますが、過ごしやすい日と急に暑い日が交互にやってきますね。先日家族の夏休みで少しだけ日常から移動して海と山を見に行きましたが、どちらも虫の鳴き声や空気や土の香り、木々の気配がそれぞれに季節の移り変わりを示していました。
本日はある1週間の事をお伝えさせていただきます。

 

先日素敵なラジオの番組にまたご一緒させていただきました。この時、久々に「犬の十戒」に触れる機会がありました。こちらも以前ご紹介した虹の橋の譜のように、読み人知らずの短い言葉です。しかし、長年様々な国で伴侶動物と暮らす人々の心を打つフレーズであることを再認識しました。

こちらに素敵なイラストと共に掲載があるのでご覧になってみてくださいね。「犬の十戒
この中では犬の事が書かれていますが、日々犬と猫を拝見する私としては、最近では犬に限らず猫も社会化やしつけ(トレーニング)をすることでより生活の質がアップすることも知られていることから、猫と暮らす飼い主さんにも是非読んでみてほしいものになっています。
十戒の中で触れている罰についても、今はしつけ(トレーニング)の方法も褒めてしつける方向性がほとんどになり、厳しいことをする場合はほとんどないと思いますが、犬の目線で考えてみたときに、私たちが忙しさにかまけてそのようにしてしまうかもしれない事を心にグッと迫る言葉で表していますね。
十戒を読みますと、私のように30年も伴侶動物医療の現場にいる者でも最後の譜のあたりでは思わず込み上げるものを禁じ得ません!今まで愛して見送ってきた我が子たちの姿やエピソード、熱心な患者さんとご家族のお姿も浮かんできます。

私が所属する獣医師の学会の年次大会がそろそろ開催されるのですが、ラジオ番組収録のしばらく後にその講演収録がありました。
一般の市民向けの講演でしたが、そこでは今現在の日本の伴侶動物とそのご家族が直面している様々な問題点と私たちの仕事である伴侶動物医療の世界が直面している問題点などにも触れることになりました。日本の伴侶動物の数はこの14年ほどで激減しています。そのことについて私たちが今、できる事など様々な事に触れたものとなりました。(ご関心おありの方は無料の市民講座を是非ご視聴ください)

日本という国は欧米各国とまた異なった価値観を持って動物と暮らしていると思います。伴侶動物を大切にして、尊重し、心から愛することについては随一の国であるかもしれないと感じることすらあります。しかし、公共の交通機関などには普通に乗り降りがなかなか叶いません。徐々に緩和されていき、より身近な存在になっていくことを願います。

講演では、メインスピーカーである先生とのお話もありました。
その中で、「伴侶動物との生活で十分に清潔で暮らしやすい環境とケアはもちろん必要ですが、それだけではしっかりとしたエンリッチメントがあるとは言えない。そこに如何に動物たちのコミュニケーション力や、社会化の機会がもたれ、本来の能力を伸ばす交流が人との間で取られているかどうかがとても大切である」というトピックスがありました。
このことはとても重要なポイントだと思います。
人と動物は長い時間を共にすることが最重要ではなく、伴侶動物たちとの間に如何にきちんと愛情と絆を結び、さらに十分教育を与えることが最重要なのだと感じました。
もちろん日常的に考えていることではありませんが、例えば、ある日突然家族と別れるような事態になっても、他の環境、他の人々ともフレンドリーに接し、楽しく日々を送ることができるように育てていくことが我が子への本当の愛情の形かもしれません。
こうした社会化を般化という言い方もしますが、その子がいざとなったとき大きなストレスなく幸せにいられるための愛の教育。私自身も我が身を反省し、今週は振り返り週間となりました。

文中ご紹介した年次大会について
日本臨床獣医学フォーラム JBVPフォーラムご案内
少し下の方になりますが一般の方の登録からお入りいただけます。
開催期間:2022年9月22日~10月31日、11月1日~12月9日(全てオンライン)

ラジオ番組について
放送局:TBSラジオ
番組名:「ミヤリサン製薬 HuPele プレゼンツ ペットと始めるスマイルライフ」
出演者:中澤有美子さん(フリーアナウンサー)
    柴内晶子院長
    諏訪部順一さん(声優)
9月18日までradicoでタイムフリーでお聴きいただけます。こちらから!


柴内晶子先生が執筆された
人と動物の絆~Human Animal Bond~ 記事一覧はこちらから

関連記事