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犬猫の口腔内について

お口の乳酸菌「L8020乳酸菌」

バランスのとれた食事や乳酸菌などのプロバイオティクスで腸の環境を良くしよう。といった「腸活」が少し前から注目されています。
腸には様々な菌が共生しており、第2の脳といわれるほど重要な器官であり健康にかかわっている、といったことは皆様もご存じかもしれません。

しかし人の体にはまだまだ未知数ながらも重要な器官がたくさんあります。
その一つとして、口腔が挙げられます。口腔内には腸内と同じように多種多様な細菌が潜んでいます。(口腔内細菌についての記事はコチラ
口腔内の疾患はさまざまな全身疾患と関連していることが報告されており、口腔の健康状態は全身の健康状態と密接な関係があります。

口腔内の代表的な疾患としてむし歯や歯周病があります。歯周病は口腔内の疾患の中でも特にさまざまな全身疾患と関連していることが報告されています。(犬猫の歯周病についての記事はコチラ
本記事では、それら代表的な疾患の原因菌を抑制するL8020乳酸菌についてご紹介いたします。

L8020乳酸菌とは?

L8020乳酸菌とは、広島大学大学院医系科学研究科 二川浩樹教授がむし歯や歯周病になったことのない健康な子どもの口の中から発見したヒト由来の乳酸菌です。
正式名称は「ラクトバチルス・ラムノーザスKO3株(Lactobacillus rhamnosus KO3)」ですが、「満80歳まで自分の歯を20本以上保ってほしい」という思いからL8020乳酸菌と名付けられました。
このL8020乳酸菌は人の食品やペットの食品、サプリメントに使用されています。

これまでの研究結果から、L8020乳酸菌はむし歯や歯周病菌の発育を阻止し、口腔内の健康を保つことが報告されています。

L8020乳酸菌に関する調査

L8020乳酸菌で発酵させたヨーグルトにおける知的障碍患者の歯周病に及ぼす影響

ここで、L8020乳酸菌に関する研究の一つを紹介させていただきます。
2011年に広島大学病院で、歯周病に罹患しやすいとされている知的障碍者の方を対象に朝食後に「L8020乳酸菌ヨーグルトを食べるグループ」と「プラセボヨーグルトを食べるグループ」に分け、90日間各ヨーグルトを食べたときの口腔内の環境を調べるという研究が行われました。
歯肉炎の広がりの程度を示す指数(PMA指数)と歯肉炎の程度の評価(GIスコア)、歯肉辺縁からポケット底までの距離(PD)をヨーグルトを食べる前と、食べはじめて45日後、90日後、食べ終わってから30日後に評価したところ以下のような結果が得られました。

プラセボグループよりもL8020乳酸菌グループの方がPMA指数の低下は優位に大きかった。(p<0.001)
・GIスコアも調査中に減少し、L8020乳酸菌グループでより大きく減少する傾向があった。
・ヨーグルト食べる前、45日後および90日後の間のPDの減少は、プラセボグループよりもL8020乳酸菌グループの方が大きい傾向があった。

これらの結果より、L8020乳酸菌で発酵させたヨーグルトを定期的に摂取することで知的障碍患者の歯周病のリスクを下げることができると示唆されています。

その他L8020乳酸菌を用いた調査・論文

・L8020乳酸菌摂取におけるジンジバリス菌への影響に関する研究
・マスク着用による口腔内不快感及びL8020乳酸菌使用によるその改善に関する調査
・Hiroki Nikawa, Yu Tomiyama, Minako Hiramatsu, Kaori Yushita, Yuko Takamoto, Hitomi Ishi, Sumiyo Mimura, Aya Hiyama, Hisako Sasahara, Kazuko Kawahara, Seicho Makihira, Takahiro Satoda1, Toshinobu Takemoto, Hiroshi Murata, Yuichi Mine & Tsuyoshi Taji.Bovine milk fermented with Lactobacillus rhamnosus L8020 decreases the oral carriage of Streptococci mutansand the burden of periodontal pathogens, Journal of Investigative and Clinical Dentistry (2011), 3, 187-196, 2011

 

L8020乳酸菌を用いた商品は人用はもちろんのこと、ペット向けにもサプリメントやガムといった形で販売されています。
私たちは毎日行っている口腔内ケアですが、これをきっかけにワンちゃんネコちゃんにも口腔内ケアをしてみるのはいかがですか?


参考文献

Yuki, Oda et al. “Effect of bovine milk fermented with Lactobacillus rhamnosus L8020 on periodontal disease in individuals with intellectual disability: a randomized clinical trial.” Journal of applied oral science : revista FOB vol. 27 e20180564. 29 Jul. 2019,

嶋﨑義浩.”口腔の健康状態と全身的な健康状態の関連”.e-ヘルスネット(厚生労働省).2020-08-17.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-01-006.html.(参照2022-06-08)

L8020協議会.”「口腔内のジンジバリス菌保菌検査」を実施 50歳以上の2人に1人がジンジバリス菌(歯周病菌)を保菌”.PR TIMES.2021-12-03.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000084217.html.(参照2022-06-08)

L8020協議会.”「マスク着用による口腔内不快感およびL8020乳酸菌使用によるその改善に関する調査」を実施”.PR TIMES.2021-11-11.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000084217.html.(参照2022-06-08)

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