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暮らしと健康
獣医師執筆記事

暮らす前カウンセリング ~伴侶動物と暮らす前に知ってほしいこと~

当院斜め向かいの豊川稲荷さんの桜がこの界隈ではいつも一番桜で、今年もすでに咲いています。こちらの桜が咲き乱れる頃に東宮御所のソメイヨシノやアークヒルズ周辺の桜坂の桜がどんどん咲き始めます。この頃には木蓮の花も一緒に咲き始め、大気には春の薫りが一気に充満し始めます。木々の花々を訪れて戯れる鳥たちも増え、東京都心にも百花繚乱の春がやってきます。

うちの猫は窓越しにメジロや烏、雀、時々やってくるセキレイの様子をみては反応しています。猫は狩猟をして生きてきた動物ですので、鳥の羽ばたきやちょんちょんとはね歩く動作などには本能をかき立てられるようで、魚(もいますが)よりはどちらかというと外の鳥の動きをみては瞳を大きくして凝視しながら「にゃっにゃっ」と声を出しています。

時に、伴侶動物と共に暮らしている方の中から猫が狩人(猫)であることを知らなかったというお悩みをお聞きする事があります。若い猫と初めて暮らし始めた方からおうちの猫が家人の通るところを待ち伏せし、飛びかかってくる事にびっくりしてお電話を頂いた事もあります。

犬や猫の習性について

伴侶動物と暮らしたい、と思い立った時に、まず「暮らす前のカウンセリング」を受ける事を考えてみてください。犬にも猫にもその動物としての習性があり、それを知っておくことが大切です。

犬の祖先が狼であることは遺伝子的にも解析されました。狼が群れの動物であり、社会性をもった生活をしていることは皆さんもご存知だと思います。
群れ(犬の群れ=パック)での生活形態は人の社会生活と通じており、犬は人の家族の中の一員である事に幸せを感じます。特別強力なリーダーを必要とするわけではなく、家族的な関係を人との間で築くと今では考えられています。群れの中で暮らす事に安心感を持つ動物なので、人の家族とであってもその群れでの安定した日々を送る事が幸せなのです。
皆さんが犬との暮らしを希望しているとしたら、そのライフスタイルにはどのような犬種が合っているのか?本当に犬との暮らしがフィットするのか?といったことや
、家族の中での犬との教育プランなども事前に考えておくと良いですね。

猫の基本的な生活は単独行動です。行動が活発になる時間帯は、薄明薄暮性といって明け方と夕方に最も活発化することが分かっています。
猫にとっての一番大きなストレスは過密な状態で多数の猫と共に暮らさざると得ない状況です。複数の猫と暮らす事は可能ですが、家の広さと猫の数は十分気を付けなくてはいけません。イメージとしては、1つのスペースに1猫くらいの感覚です。

暮らす前カウンセリングとは

現在、日本において「伴侶動物とこれから一緒に暮らしたい」と思っている人が、既に暮らしている人の1.5倍程度いると言われています。

皆さんは伴侶動物との暮らしを考える時、どのようなイメージを持つでしょうか?
楽しみの反面、暮らしだしてみたらイメージと違った、こんなはずではなかった、ということになっては双方が幸せになることができません。幸せのイメージはとても大切ですが、想像するときの幸福感はそのままにして、考えられるリアルを知り、夢と現実を上手にマッチングさせていくことをお勧めしたいです。

家族の構成、年齢、生活場所の環境、マンションか一軒家か?、家族の仕事の内容など、動物とどのくらいの時間を共に過ごせるかも重要です。

暮らす前にカウンセリングを行う事で情報を整理することができ、犬との暮らしを夢見ていた方が実は猫との暮らしの方に向いている場合もありますし、考えていた犬種よりもより合った犬種が見つかる場合もあります。
是非、一緒に暮らし始める前に専門科とのカウンセリングを計画してみてください。

相談受付場所について

こうした暮らす前の相談は動物病院やしつけなどのインストラクターさんなど受付をしてくださると思います。(施設によると思うのでお尋ねになってみてください)

次回は、もう少し具体的な暮らす前の準備についてお話します。

本格的な春間近です。世界的に心配な事象が多々ありますが、日々を大切に歩んで行きたいですね。

 


柴内晶子先生が執筆された
人と動物の絆~Human Animal Bond 記事一覧はこちらから

 

 

 

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