人と動物の絆~Human Animal Bond 〜
新しい年が始まりました。今年は寅年ですね。しかも36年ぶりの五黄の寅の年です。世の中そのものの運気が強まる時とも言われています。世界を悩ませているCOVID-19 の猛威が今年、来年で収束して行く事を心からお祈ります。
人はその歴史の始まりの時から地球上の自然環境、そして動植物達と共存してきました。今年の干支トラはネコ科の野生動物ですが、トラの属するネコ科の猫は犬と共に人間と共に暮らす「伴侶動物」の筆頭にあげられる動物です。そして、伴侶とは「人生を共に歩む相手」とネット検索でも辞書を引いても書かれています。「人生を共に歩む相手」相手が人間でなくともあてはまる良い言葉ですね。
人と暮らす動物の筆頭である「犬」は最近の研究では3-4万年前から人と共に暮らしていたとわかってきています。そして「猫」は5000年前のエジプトからと言われていましたが、最近の発見で,約1万年前から共に暮らしていたのではないかと言われる様になりました。キプロス島の9500年まえのシロウロカンボス遺跡でその地域の当時の実力者のお墓に人と共に手厚く埋葬された猫の墓が発見されたのです。伴侶動物としての歴史がより永く大きく変わりました。
虎は伴侶動物にはなりえ得ない野生の孤高の存在です。とても美しく素晴らしく魅力的な動物ですが,野生の世界でこそ輝く存在ではないかと思います。伴侶動物は野生動物と一線を画した存在であり、人と共に暮らし、人の社会の中の一員として存在する動物達です。人の側にいることから人と共通の感染症や習性行動学なども研究され、共に安全に暮らして行けるよう熟知された動物たちです。PETから伴侶動物(Companion Animal)へと、特にこの数十年で社会の中での伴侶動物への認識が大きく変わってきています。伴侶動物は帰る自然のない、人と共に生きる動物達なのです。
私も犬と猫と(その他色々な生き物と)幼い時から永く暮らしてきました。暮らす中でとても沢山の事を学びました。犬も猫もその他の動植物達も私にとって人生の師匠でもあります。幼い子どもにとっては動物達との非言語的コミュニケーションは言葉以上に感じる事が多いのではないでしょうか?
伴侶動物が人と暮らしだしたきっかけを考えると壮大な地球の歴史を俯瞰するような気持ちにになります。犬や猫は人間の側に暮らすと食べ物や暮らしの場の比護を受けられたのかも知れません。人間は動物達の優れた危険察知能力に助けられたのかもしれません。その時から双方がお互いに助け合えることに気づき合い、共に歩む道を選び合った、と思うと、「運命の出会い:奇跡のパートナー」と感じます。
数万年の星霜を越えての結びつきを持った人と動物の絆は強く深く、現代を生きる私達の遺伝子の中にも動物を愛しく思う要素が組み込まれているように思います。自然界からの私達へのギフトでもあり、優しい心を忘れさせない存在でもあるのではないでしょうか。
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