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暮らしと健康

ペットのしつけや社会化

 

 はじめに

しつけは、ペットが人間社会で安全に暮らしていくために欠かせないもので、本来動物の世界には無い人間のルールを「学習」してもらうことです。これを楽しいものだと認識することで、お互いストレスなく生活することができ、飼い主とペットの信頼関係が深まります。
今回の記事では「しつけ」や「社会化」についてご紹介します。

 学習とは

そもそも学習とは「動物の個体が、特定の環境条件に合わせて行動パターンを獲得したり変形させたりすること」と定義されています。
例えば、「オスワリ」と言われたときには、「座ると良い事がある」と記憶し、座るという行動をとることが「学習」の結果となります。

「学習」するのは、犬・猫などの高等哺乳類だけではありません。ペットで多くみられる鳥や魚、爬虫類などから単細胞生物であるアメーバまでほとんどの生物が持つ能力です。
しかし、学習には限界があります。本来、飼い主が行うしつけとは、動物の生まれもった行動を利用しています。そのため、本能から大きく外れる行動は「学習」できません。ワンちゃんのトイレトレーニングがネコちゃんと比較して困難なのは、野生において臭いで居場所を悟られないために、一か所で排泄しないという生まれ持った傾向を持っているためです。

 基本的なしつけ

現在、しつけには様々な方法が存在しています。どのような方法を使うか迷うことがあると思いますが、ペットの性格やしつけの内容を踏まえて最適な方法を選択しましょう。

しつけの選び方

1.その子にとって最も優しい学習方法を選択する
 →しつけだからと言って、むやみに叱る事のないようにしましょう。体罰は絶対にしてはいけません。

2.家族全員が簡単におこなえる方法を選択する
 →大人から子供まで、家族全員が安全におこなえる方法が望ましいです。

3.飼い主にもペットにも環境にも安全な方法を選択する
 →飼い主、ペットの安全はもちろん、周囲の人や環境にも配慮しましょう。

4.効率的で合理的な方法を選択する
 →しつけは動物の学習行動を利用して行います。ペットに有効な学習理論を理解し、しつけに臨みましょう。

古典的条件付け

古典的条件付けとしてよく知られているのは「パブロフの犬」です。動物は食べ物を与えると唾液が分泌されます。この反応は、食べ物を分解するために体が起こす反射です。しかし、食べ物を与える前にベルの音を聞かせると、次第にベルの音を聞くだけで唾液が分泌されるようになります。このように、意味の無いベルの音が、唾液を分泌させるほどの意味のある条件になることを「古典的条件付け」と言われます。

この、本来関連のない事象を関連のある事象として認識させる事は、しつけでよく利用されます。例えば、「良い子」と言った後におやつをあげる事で、動物には意味の無い言葉がおやつをもらえる嬉しい言葉になります。

オペラント条件付け

オペラント条件付けは行動に伴う結果によってその行動が増えたり、減ったりする学習のことです。
例えば

「オイデ」と呼ばれて行ったらおやつが貰えた→その行動が増える

遊んでいる最中に手を噛んだら遊びが中断された→噛む行動が減る

といったように、「ごほうび」や「嫌な事」を利用してしつけをおこないます。

オペラント条件付けを用いたしつけでは基本的に「正の強化」が利用されます。「正の罰」のように、嫌な事を与えることでペットをコントロールすることは避けましょう。

ワンちゃんのトレーニング施設

近年は気軽にプロからしつけを学べる施設やサービスが増えてきています。しつけの本やインターネット、DVDだけではうまくできないなと感じたら、気軽にトレーニングサービスを利用してみましょう。

トレーニングサービスの例

➣しつけ教室
➣個別トレーニング
➣出張トレーニング
➣保育園
➣預かり訓練

 社会化

社会化とは、ペットが家族やその他の人、動物との関わり方を学んでいくことです。
元々野生で暮らし、動物のルールで生きていた動物が、人間と安心して暮らしていくため、人間のルールを学んでいく「社会化」はとても重要となってきます。この社会化をおこなう時期の事を社会化期と言い、ワンちゃんは3-12週齢頃、ネコちゃんは3-9週齢頃と言われています。

ワンちゃんの社会化

生後14日目前後はまだ目も開いておらず、母犬に頼って生きています。しかし、この時期に母犬とのふれあいが少なかったワンちゃんは、将来の不安行動に繋がるとも言われています。そのため、将来の社会化にはとても重要な時期です。
その後、生後3週齢頃には母犬から徐々に離れ、社会性を身につけていきます。この社会化期になると、きょうだい犬と遊びながら、自分が犬であることや、仲間との関わり方などを学んでいきます。また、人とも関わりを持つことで、人も仲間であることを認識します。人との関わりは勿論ですが、きょうだいや母犬から噛みつきの制御やコミュニケーションの仕方を学ぶため、6-8週齢前後までは母犬やきょうだいから引き離すべきではないと言われています。

ネコちゃんの社会化

実は、ネコちゃんの社会化については、ワンちゃん程研究が進んでいません。猫はもともと群れを成さない動物であるため、犬ほど社会行動が複雑ではありません。しかし近年は、室内飼いのネコちゃんが増加し、人との関わりが増えてきました。そのため、ネコちゃんにおいても社会化が注目されるようになってきました。
ネコちゃんの社会化期はワンちゃんよりも早く、生後3-9週齢と言われています。この時期に母猫から離れ、きょうだい猫や人から社会のルールを学びます。
またワンちゃん同様、社会化期以前の時期も社会化に大きく関わってきます。この時期に母猫との関わりが少ないと、攻撃的な行動が増えると言われています。

 最後に

「しつけ」や「社会化」は、違ういきものである人とペットが安心・安全に過ごしていくためにとても大切な事です。かわいそうなどの理由で「しつけ」を怠ったり、小さい時期のペットが可愛いからと、早い段階で母親から引き離したりしないようにしましょう。
ペットと人が笑顔で過ごせるように、この記事が少しでも参考になれば幸いです。

 

 

参考文献

・東海林克彦 .犬と猫との暮らしの教科書 .公益社団法人日本愛玩動物協会 ,2019
・東海林克彦 .愛玩動物飼養管理士<2級 第2巻> 2021年度<第41期> .公益社団法人日本愛玩動物協会 ,2021

 

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